親と同居していても障害年金はもらえる?子どもがいて離婚したらどうなる?

年金手帳9

障害年金は、65歳未満でも障害の程度が要件を満たしていて審査に通れば利用できる年金制度です。障害年金の受給を考えている人のなかには、「親と同居していると審査で不利になってしまうのではないか」と考えている人もいるでしょう。

また、自分自身が親になっている場合で、離婚したら障害年金の扱いがどうなるのか気になる人もいるかもしれませんね。ここでは、親と障害年金の関係に焦点を当ててわかりやすく解説します。

障害年金ってそもそもどんなものなの?

障害年金は、病気やけがで日常生活や仕事などが大きく制限されている人に支給される国の年金制度です。障害の原因となった症状について、初めて医療機関を受診した日(初診日)に加入していた年金制度が国民年金であれば、障害基礎年金が受給できます。

一方、厚生年金の被保険者になっている場合は障害厚生年金の対象です。障害年金には3つの受給要件があり、詳細は障害基礎年金と障害厚生年金で異なります。しかし、申請を行うためには基本的に下記の要件をすべて満たす必要があるのです。

1. 初診日要件(年金加入期間内に初診日がある)2. 保険料納付要件(年金保険料の納付要件を満たしている)3. 障害状態該当要件(障害認定日における障害の状態が要件を満たしている)障害基礎年金の場合、1級と2級に該当しないと給付対象になりません。

一方、障害厚生年金では1~3級に該当すれば支給されます。障害年金の審査では、初診日が非常に重視されます。基本的に初診日から1年6カ月後が障害認定日となり、この日における障害の程度が審査対象になるのです。

ただし、障害認定日の後に症状が重症化したことによって申請をする方法もあり、これを事後重症と呼んでいます。

また、初診日が20歳の誕生日より前にある場合を「二十歳前傷病による障害基礎年金」といい、初診日が年金加入期間内にないため保険料納付要件が適用されません。

通常、障害年金では本人の所得が問われませんが、「二十歳前傷病による障害基礎年金」には所得制限があります。

障害年金ではいくらもらえるの?

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障害年金の支給額は障害基礎年金と障害厚生年金で異なります。障害厚生年金の1級と2級に該当する人は、障害基礎年金も受給できます。障害基礎年金の支給年額は1級で97万4125円、2級で77万9300円の固定です(2018年12月時点)。

一方、障害厚生年金の場合は、報酬比例の年金額をベースに算出され、1級の場合は報酬比例の年金額×1.25、2級の場合は報酬比例の年金額が支給額となります。

報酬比例の計算式は下記の1と2を合計して求めます。1.平均標準報酬月額×7.125÷(1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数)2.平均標準報酬額×5.481÷(1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)

障害厚生年金の対象になっている人に配偶者がいると、配偶者加算が受けられます。また、子どもがいる場合は、障害基礎年金から子の加算が支給される仕組みです。

障害年金では親との同居は審査に影響しない!

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障害要件の審査においては、「親と同居していると不利になる」ということはありません。むしろ、親と離れて一人暮らしができるなら症状が軽いと考えられるため、審査で不利になることがあります。また、親の収入が審査に影響することはないので安心です。

障害年金は本人名義の受取口座に振り込まれる仕組みです。しかし、障害年金の受給者が親と同居している場合、親がお金の管理をしているというケースも少なくないでしょう。なかには、親が自由にお金を引き出して使っているという場合もあるかもしれませんね。

自分でお金を管理していきたいと考えているなら、受取口座を変えるのも一つの手です。受取口座を変える方法は難しくありません。手続きは下記のような流れになります。1.「年金受給権者 受取機関変更届」に必要事項を記入する

2.変更する予定の口座を用意して通帳のコピーを取る3.書類を年金事務所の窓口に提出するか郵送する「年金受給権者 受取機関変更届」は、年金事務所や日本年金機構の公式サイトから入手できます。通帳のコピーを取るときは、金融機関名と支店名、口座番号と口座名義のフリガナが確認できるようにしなくてはなりません。

一方、通帳を持っていない場合でも、キャッシュカードや銀行の証明印などがあれば手続き可能です。

障害年金をもらっている親が離婚したら?

障害年金を受給している人で18歳未満の子(あるいは障害のある20歳未満の子)がいる場合、要件を満たせば子の加算が受けられます。また、障害厚生年金の対象者で配偶者がいる場合も、要件を満たすと配偶者加算が受けられるのです。

配偶者加算は一律22万4300円で、子の加算は子2人目まで1人につき22万4300円(いずれも2018年12月時点)です。「参考 - 厚生年金障害者 - 白石社会保険労務士事務所

子3人目からは、1人につき7万4800円となります。ところが、離婚すると配偶者加算はカットされてしまいます。一方、子の加算は子が受給者に生計を維持されていることが条件となるため、離婚によってこの条件を満たさなくなると支給停止になります。

子が配偶者側に引き取られて、受給者に子の生計を維持する責任がなくなると支給が止まる仕組みです。また、子の年齢や所得が要件を満たさなくなった場合もカットされることに注意しましょう。

障害年金受給者の転居時の手続き

養育費や婚姻費における算定で障害年金は対象になるのか

離婚では養育費や婚姻費がトラブルの原因になることも少なくありません。障害年金を受給している人に生計を維持されていた配偶者にとっては、離婚したあとに養育費や婚姻費がもらえるのかどうかは重要な問題です。ここでポイントになってくるのが、養育費や婚姻費が基本的に裁判所の算定表に基づいて決められるという点でしょう。

算定表は対象となる人の年収を基準にしているので、障害年金の受給額が年収に含まれるかどうかによって算定額が変わってくるからです。ところが、この点については明確な法律は存在しません。支給金が生活費と完全に切り離されて管理されている場合は算定表の対象外になることもあります。

しかし、生活費と一緒にしているというケースも多いでしょう。この場合、算定表の対象になる可能性も低くありません。とはいえ、配偶者や子の状況などを総合的に判断して決める必要があるため、扱いは一様ではなくケースバイケースです。

裁判所の考え方によって変わってくるといえるでしょう。障害年金の制度は複雑なので、申請や更新の手続きで悩んでいる人は少なくありません。トラブルになったり不明な点が出てきたりしたときは、社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談してみるのも一つの手です。

無料相談サービスを提供している事務所も増えているので、まずは気軽に連絡してみてはいかがでしょうか。

障害年金の金額は、どうやって決まるの?